
【人生会議】勝手にポスターシリーズ
引き続き、話題になってますね。いろんな人に届いて、いろんな人から意見が届いて、また悩み考えるきっかけになり、良い経験になっています。
人生会議は、大事なことを話して「決めきる」ことよりも
話し合うプロセスを大切にします。
時に、決めたことよりも、プロセスから紡ぎあげたことを大事にすることもあります。
今回、勝手に作ったポスターの主人公。
人生会議の動画にも登場していただいている方です。
ある日、彼は僕に言いました。
「来週の娘のソフトボールの試合の応援、体調も悪いしやめておこうかな」
確かに、命の期限が迫っている、体調としては決してよくはない、そんな状態でした。
でも、僕は、彼の発言を、すぐに否定しました。
「何言ってるんですか。行きますよ。」
患者が「こうしようと思う」と話す決断を、医者が「何言ってるんですか」と即答で却下する。
そのシーンだけを見ている人がいたら、きっとひどい医者だと思われたと思います。
でも、僕には彼と重ねてきた時間がありました。今で言う、「人生会議」です。
彼がどんな思いで子どもたちのソフトボールの練習に付き合ってきたか。小さい時から、暗くなるまでキャッチボール。朝早くから送り迎え。嬉しそうに自慢げにそんな話を聞くのが僕は好きでした。全国どこで試合があっても、仕事を休んで必ず応援に行き続けてきたことも知っていました。
僕は、彼と重ねてきたプロセスに確信を持って、今言った言葉は病魔に言わされてる、迷いから出た言葉に違いない、と思えたから、すぐに否定できました。
そしてグラウンドへ。
応援している彼は、病気なんてどこに行ったの?と思うくらい、大きな笑顔で、大きな声で。娘を応援していました。彼女にもきっと大きなエネルギーが伝わったと思います。
そして、応援に行った翌日に自宅で息を引き取りました。
応援に行ったのが無理になったんじゃないか?と思う人もいるかもしれません。
でも、僕も家族も、そして彼自身も、
彼の人生に、娘の応援に行かない選択はない。と思えていた。そう思っています。
ぜひ皆さんも
決めなくていいから、いっぱい話を。